「あゆざ絵鬼夢」コラボ曼荼羅 with LUCO ~story from kaz

あゆざ絵鬼夢

あゆざが生まれ落ちた場所はドロ沼だった。

汚泥を身体に擦りつけられ、この泥こそが身を守るものだと教えこまれた。

耐えがたい悪臭と擡げる皮膚の痛みの中では力を発揮出来ず、無能な者としていつも皆から見下されていた。

いつしか足下には蛇が絡み付き、名実ともに異形の者となっていった。弱き者たちからも石を投げられ、心を膿ませていった。

「生きてることに喜びなどあるわけがない」

あゆざの心はどこまでも膿み「いっそ清浄の泉を汚して命を絶ってやろうぞ」と滝に飛び込んでしまった。

命は絶てなかったが、身体を覆っていた泥は剥がれ落ちていた。

泥の奥のあゆざは美しかった。たちまち人気者になり妻を娶った。

泥は水で流せたが、心はそうはいかなかった。悪臭も痛みもなかったが、技芸を持たぬあゆざはやがてはみてくれだけの無能と蔑まれるようになった。

心の痛みには耐えられなかった。あゆざはドロ沼に戻って行った。この泥こそが我が身を守るもの。悪臭に耐え、痛みに耐え、蛇に絡みつかれる不快感にも耐え、花の季節にも目もくれず泥に飲み込まれあゆざは「泥鬼」となった。

—-おしまい

酷い話だったでしょう?

ごめんなさい。「三つ子の魂百まで」と申しますが、子どもの時に刷り込まれたことは何歳になってもその人を苦しめる。そういう「見えないトラウマ」へのアンチテーゼのつもりですが、我ながらバッドエンディングにも程があるなと反省しております。ハイ💦

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です